2025年9月27日更新
iPS心筋シート移植の最前線:最新治験状況と実用化への道
重度心不全治療の新たな希望、iPS細胞を使った再生医療の今をわかりやすく解説します。
iPS心筋シート移植とは
iPS心筋シート移植は、健康な人のiPS細胞から心臓の筋肉(心筋)細胞を培養し、シート状にして心臓の弱った部分に貼り付ける再生医療技術です。重度の心筋症や心不全患者など、従来は心臓移植しか根本的な治療法がなかったケースで新たな選択肢となりつつあります。
最新の治験状況(2025年7月〜9月)
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国内初の「拡張型心筋症」への治験
2025年7月、京都市のベンチャー企業と大学研究チームによる治験が初めて実施されました。
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効果向上を目指す5層シート
手術では5層に重ねたiPS心筋細胞シートが心臓に移植されており、従来の単層シートよりも効果や持続時間の向上が期待されています。
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安全性と有効性の評価
この治験は2027年までに10名を対象に実施し、安全性と有効性を評価する方針です。[7]
患者の予後・効果
大阪大学などの治験チームは、iPS心筋シートを8人の重症患者に移植し、全員の重症度改善を報告しています。
- 1年後には、うち4人が通常の活動時に症状がない状態に回復。
- 残りの患者も症状の軽減がみられています。
- 運動能力や心臓機能の客観的な向上も確認されています。
- 2026年まで治験が継続される予定で、社会復帰例も報告されています。[1][3]
実用化・承認申請
大阪大学発の「クオリプス」や他企業が、iPS心筋細胞シート治療製品として厚生労働省への承認申請を行いました。実際に承認されれば、世界初のiPS心筋シート医療製品となる見込みです。
関西万博(2025年)でも心筋シート技術が展示・紹介されており、国内外の注目度が上がっています。
主なプレーヤー・研究機関
- 大阪大学、順天堂大学、京都大学、東京女子医科大学
- クオリプス(ベンチャー)、iHeart Japan(ベンチャー)など
- Heartseed(慶應大学発)は新規カテーテル投与システムの国内治験開始を目指して進捗報告しています。
今後の展望
今後数年間で更なる治験・承認審査・実用化が期待されており、心臓病治療の分野で革命的技術となる可能性を持っています。
ただし、現在は治験段階のため、一般治療としての普及・保険適用については今後の進展が待たれる状況です。
(補足)
現時点で治験以外の大規模治療例や具体的な保険適用時期などは公表されていません。不明な事項は公開情報が確認できしだい追記します。