【速報】住友化学と住友ファーマが合弁会社「RACTHERA(ラクセラ)」設立!iPS細胞活用製品開発を加速
2025年12月5日 ニュース日本の大手企業によるiPS細胞を活用した製品開発の動きが活発化しています。日本の研究機関で開発されたiPS細胞技術は、武田薬品工業やアステラス製薬、エーザイといった大手企業が実用化に向けて取り組みを進めており、そのうちいくつかは実用化が近いとされています。
iPS細胞を活用した主要企業の取り組み
iPS細胞を活用した製品開発に取り組む大手企業には以下のような例があります。
- 武田薬品工業株式会社: 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)と10年間の共同研究プログラム「T-CiRA」を進めており、その成果を基にiPS細胞由来の再生医療等製品の研究開発を行うバイオベンチャー「オリヅルセラピューティクス株式会社」を設立しました。
- アステラス製薬株式会社: 再生医療の臨床研究チームを立ち上げ、iPS細胞を活用した製品開発に取り組んでいます。
- エーザイ株式会社: iPS細胞を新薬のスクリーニングなど創薬に活用しています。
- 住友ファーマ株式会社: iPS細胞由来の再生・細胞医薬品の開発を推進しており、パーキンソン病や網膜色素変性症などの治療法開発を進めています。
RACTHERA設立の背景と住友グループの戦略
住友化学の生命科学分野への注力
住友化学は、バイオインフォマティクス技術を活用した病気の発症メカニズムや医薬品の作用機序の解明など、生命科学分野において多岐にわたる研究開発を行っています。ES細胞やiPS細胞を用いた研究や、合成生物学の分野にも積極的に活動しており、アメリカのバイオベンチャー企業への出資や戦略的業務提携を通じて革新的プロセスの開発を目指しています。
住友ファーマの再生・細胞医薬事業
住友ファーマは、iPS細胞を活用した治療法の開発に特に注力し、神経疾患や眼疾患などの難治性疾患に対する革新的な治療法の実用化を目指しています。
インフラ整備
- 2014年に「再生・細胞医薬神戸センター」を開設し、開発研究・製造検討を推進。
- 2018年3月にはiPS細胞を用いた細胞医薬品の専用製造プラント「SMaRT」を竣工し、**高品質・同質・大量生産**に対応できる設備を導入。
製品化実績
2022年3月には、小児先天性無胸腺症を対象とした他家培養胸腺組織「リサイミック(Rethymic)」をアメリカで販売開始しています。これは提供者と被移植者のマッチングを必要とせず、生涯に一度だけ行われる治療であり、FDAから複数の指定を受けています。
iPS細胞由来製品の開発状況
- パーキンソン病: iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いた治療法の日米での開発を進めており、米国では2024年2月にFDAへIND申請を提出し、企業治験開始の準備が整っています。
- 網膜色素変性症: 他家iPS細胞由来網膜シートを用いた治療法の開発を進めており、2024年10月にFDAにIND申請を行っています。
- 網膜色素上皮裂孔: 株式会社ヘリオスと共同で他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞を用いた治療法を開発し、2024年8月には九州大学病院で最初の被験者への移植が実施されています。
新会社 RACTHERA が目指すもの
2024年11月に設立が発表された合弁会社RACTHERAは、再生医療等製品や細胞医薬関連製品の研究、開発、製造、販売、輸出入を事業内容とします。
- RACTHERAは、住友化学グループにおける再生・細胞医薬事業の**研究開発の中核**を担う予定です。
- 住友化学、住友ファーマ、CDMO(医薬品の受託開発・製造機関)の合弁会社であるS-RACMOと連携し、事業の成長を加速させることを目指しています。
✨ 重要な目標:事業規模
RACTHERAは**2030年代後半**に最大で約3,500億円の事業規模を目指しています。
RACTHERAの設立は、住友化学グループ全体の技術とリソースを結集し、iPS細胞由来製品を含む再生・細胞医薬分野での新しい治療法の提供を加速させる**大きな一歩**として期待されています。
RACTHERAの株主構成(2025年2月1日以降):
住友化学 66.6%、住友ファーマ 33.4%